グレッグ・ポポビッチが正式にヘッドコーチからの引退を発表して以来、バスケットボール界のあらゆる場所から彼への賛辞が相次いでいます。
最近のトリビュートのひとつが、ギルバート・アリーナスの番組「Gil’s Arena」でした。
番組では、ポポビッチとスパーズがなぜこれほどまでに成功したのかについて議論されました。
その鍵となったのが、彼の優れたスカウティング能力と、チームカルチャーに完璧にフィットする人材を見極める目だったと語られています。
その代表的な例が、ソファに座っていた元スパーズのダニー・グリーン。
彼自身が、スパーズとポップが成功を収めた理由を明かしました。
よく言われるのはドラフト戦略、選手の補強、選手の長所を引き出す起用法などですが、ポップの真の凄さは、選手に厳しく接し、エゴを管理し、常にベストを求め続けた姿勢にありました。
ほとんどの選手がその要求に応える一方で、応じられなければスティーブン・ジャクソンのようにチームを離れることもありました。
「怒らせた方が強くなる選手もいる」~ポップが選手の心を操る名人だった理由~
ダニー・グリーンも、トニー・パーカーと並んで、ポップの厳しい指導の矛先になりやすい選手の一人でした。
しかしそれは単なる怒鳴りではなく、選手を成長させるための戦略的なアプローチだったと彼は語っています。
「ポップは怒った方が力を発揮できる選手が誰かをちゃんと分かってた笑
怒らせることができれば、ベストのプレーを引き出せるって分かってるんだ。
だから、あえてそういうスイッチを押すんだよ。
もちろん、誰にでもそれが効くわけじゃない。
でも、それも含めて全部“チェスの試合”みたいな駆け引きなんだ。『今日はお前のことボロクソに怒鳴ってベンチに下げるけど、それは2試合後に◯◯(相手チーム)との大事な試合があるって分かってるからだ。その試合でお前には集中してもらいたいから、今はあえて“冷遇”しておく。』
というメッセージだ。
でも、そのぶん数試合後には燃えて戻ってくるだろうって思ってるんだ。」
このような“心の駆け引き”を経て、数々のチャンピオンリングを手にしてきたポップは、まさに誰にどんなスイッチを押せばよいかを知り尽くしていた名将でした。
“他球団を見捨てられた選手”を宝に変えるポップ
グリーン自身も、そんなポップの“育成術”によって大きく変わった一人です。
NBAキャリア初期、キャバリアーズではレブロン・ジェームズの横でベンチを賑わす存在でしたが、ルーキーシーズン終了後に解雇されます。
その後スパーズが彼を獲得するも、当時のグリーンはまだ未熟で、すぐに再び解雇されます。
2010-11シーズンはGリーグで過ごし、「本気でNBAで生き残りたいなら変わらないといけない」と痛感。
2011年3月にスパーズが再び彼を契約し、そこから彼はAUSTINでの時間を真剣に取り組み、翌シーズンにはリーグ有数の3&D選手としてスターターの座を掴みました。
ポポビッチの指導スタイルは、すべての選手に合うわけではありません。
しかし、心から受け入れた選手は必ず成長し、コートの中でも外でも素晴らしい人間になっていきました。
ダニー・グリーンも、その中のひとりに他なりません。
ポップの人を育てる力は、彼の永遠のレガシーの一部として語り継がれていくでしょう。
引用画像:San Antonio Spurs Photo Galleries
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