クリス・ポールがスパーズにもたらしたもの:若手への教えと覚悟

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クリス・ポールが「感謝」について語るとき、どこか声が詰まるような口調になります。

もしかすると単なる話し方のクセかもしれませんが、ロサンゼルスに住む妻と2人の子どもと離れて過ごす時間が長かったことを思えば、誰もがその感情の揺れを責めることはできないでしょう。

「感謝」の姿勢で戦い抜いたクリス・ポールのシーズン

ただ、プロスポーツの世界では、感情に浸ることは贅沢だとされがちです。とくに何百万ドルも稼ぐアスリートには、「気持ちに向き合う暇なんてない」と見なされることもしばしばです。

それでもポールは、シーズン最終戦となった第82戦、終了22秒前の時点でもスコッティ・バーンズとミッドコートで激しく競り合っていました。

はっきり言えるのは、トップレベルに到達する選手は、例外なく強く「本気」であるということです。

お金の問題ではありません。

ポールは言います。

「“感謝”って言葉をいつも使ってる。

幸運にもキャリアのほとんどでプレイオフに出られたし、消化試合みたいなのもあまりなかった。

だからシーズン終盤はメンタル的な部分が大きかったかな。

毎日ちゃんと練習に来て、手を抜かずにやる仲間たちがいるっていうのは、本当にありがたいこと。

ここでの経験はとてもよかった。

プレイオフに出られなかったことには腹が立つけど、家族に会えるのが楽しみだよ」

仕事を終えたら家に帰る、それが仕事というものです。そして、ポールにとってもこのシーズンは「仕事」でした。彼は「自分はバスケをしに来た」と常に語ってきました。

でもその過程で、教えることや手本を示すことを決してやめませんでした。

仕事が終わったら、家族が迎えてくれると分かっていたからこそ、全力を尽くすことができたのです。

ポールとスパーズのロスターのほとんどの選手の間には、ほぼ1世代分の年齢差があります。

自信に満ちた若手が、どこまでその教えを受け止められるかは計れません。ですがNBAという世界は、そうした学びを一気に加速させる力を持っています。

21歳のジェレミー・ソーハンは語ります。

「ポールは情熱の塊だよ。

ゲームを愛してるし、リスペクトしてる。

キャリア20年目、やるべきことは全部やって、お金も十分に稼いでるのに、何もせずハワイでのんびりできる立場なのにさ。

でも今シーズン彼はテキサス州サンアントニオにいて、82試合全部でケツを蹴飛ばされるようなハードなプレイをやってるんだ」

勝者のメンタリティを育むために

ポールがスパーズに加入したとき、「身体に無理をかけずに済む環境かもしれない」とどこかで思っていた節もありました。

長年トップレベルで戦ってきた彼にとって、若手たちがオフェンスでもディフェンスでも走り回り、転げ回ることで、ある程度自分の負担が減るという期待があったのでしょう。

必要なときに自分が出る。そして、それは当然やる。

でも最大の問いは「気持ち」を教えられるか、ということです。

知識や根気を教えることはできますが、「無意味に見える試合でも燃え続ける心」を教えることは可能なのでしょうか。

それは育てられるものなのか、それとも生まれ持った性質なのか——。

スパーズがこれから向き合わねばならない最大の課題は、「勝ち方」を学ぶことかもしれません。

ただ才能があるだけでなく、「こうやって勝つんだ」というメンタリティを体得する必要があるのです。

フロントオフィスは、無理のない予算の中で最大限の補強を行いました。

教えるだけでなく、自ら戦って手本を示せる選手たちを揃えました。才能だけでは足りません。

多くの試合に出場し、チームのために、ファンのために戦うことがどれほど大変か。それを知ってもらう必要があるのです。

ウェンビーは圧倒的な競争心とスキルを兼ね備えた“唯一無二”の存在です。

ケルドン・ジョンソンは決して止まりません。その姿勢がチームメイトを奮い立たせています。

ヴァセルは自分のシーズンを誰よりも悔しく思っており、彼の中で育っている責任感は過去に見られなかったレベルです。

ステフォン・キャッスルは、誰にも臆さない野獣のような選手です。ソーハンはまだ技術面では課題を抱えていますが、周囲よりも「ハードにプレイすること」の重要性を理解し始め、その努力が実を結び始めています。

脇役も主役になるメンタリティが必要

そして忘れてはならないのが、ポールとハリソン・バーンズに並び、今季82試合すべてに出場したジュリアン・シャンパニ。

リーグ入り以来、地道に努力を重ね続けている選手です。

これからは来季のロスター内での立ち位置、そしてサンアントニオがどのような方向性で進むか——オフシーズンには大きな注目が集まります。

でも今だけは、「手本を見せるリーダーシップ」がどれだけ重要かという事実を認めても良いのではないでしょうか。

仮にクリス・ポールが1シーズン限りでスパーズを去ることになったとしても、その存在は十分に価値がありました。

サンアントニオにはすでに確立されたカルチャーがあります。

レジェンドたちは今も近くにいて、バナーが掲げられ、背番号が永久欠番となっています。

しかし、毎日の積み重ねがどれだけ大事かを、ロッカールームで実際に示してくれる存在もまた必要なのです。

儀式や伝統だけでは足りません。

スパーズはポールという選手を通じて、それを再確認することができました。

引用元:Corporate Knowledge

引用画像:San Antonio Spurs Photo Galleries

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