スパーズのドラフト外ルーキー、ドミニク・バーロウは前途多難でユニークな経歴を歩んでいます。
今回の記事は地元サンアントニオのExpressNewsを引用して紹介していきます。
急激な成長を見せてきたバーロウ
地元ニュージャージー州デュモントの高校時代半ばに自信喪失の危機に直面しました。
高校3年生になっても大学からの誘いがあまりなく、プロの道は難しいと評されていました。
デュモント高校の2年生で193㎝だったバーロウはシーズン平均9点しか取れませんでしたが、3年生で23.2点、12.6リバウンド、2.2ブロックを記録し、ノースジャージーの2019-20高校年間最優秀選手賞を獲得するまで成長しました。
最終学年では短縮シーズンであったことも功を奏し、1試合平均で27.6得点、17.0リバウンド、3.1アシスト、2.6ブロックを記録しました。
その活躍もありカンザス、フロリダ、オハイオ州立などのメジャーな大学からオファーを受けました。
しかし彼は奨学金を受けるチャンスに飛びつくのではなく、メイン州のブリッジトン・アカデミーに進学し、大学進学を最終決定するまでの時間を稼ぎました。
そんな時、オーバータイム・エリートが声をかけてきたのです。
Overtime Eliteとは?
19歳のバーロウは、スパーズにたどり着くまでの型破りなルートも際立っていました。
バーロウは2021年9月メイン州の予備校に通うのではなく、アトランタを拠点にNBAを目指す10代のための駆け出しリーグ、Overtime Eliteと契約を結びました。
ドレイク、ジェフ・ベゾス、Redditのアレクシス・オハニアン、ケビン・デュラント、カーメロ・アンソニー、そして一握りのNBAオーナーといった懐の深い投資家が出資するOvertime Elite(OTE)は、16歳から19歳の若者に大学に代わる、NBAドラフトに向けてフルタイムで準備できる場を提供しています。
各選手には最低でも10万ドルの給与が保証されています。
バーロウの母テレサは、息子の決断を支持していたが、神経質になっていたと認めています。
新しいプログラムだし、まだ誰もNBAに輩出してなかったから不安だった。
でも彼はいつも正しい決断をしてきた。
何が自分に合っているかを知っているから、いつも正しい決断をしてきたし、私も彼の直感を信頼している。
でも、やっぱり未知の世界はいつも怖いね。
テレサ・バーロウ
2巡目指名の可能性が高いと言われながらドラフト指名されなかったバーロウですが、OTEと契約したことに後悔はありません。
僕にとっては、間違いなくベストな選択だった。
大学に行っていれば、ドラフトで指名されるのに役立ったかもしれない。
でも同時に正しい状況に身を置くことができたと思うし、それが自分にとって最良の選択肢であることが証明されそうだ。
ドミニク・バーロウ
バーロウはNBAに早く行けるという約束で、1週間後にこの新しいリーグと契約した21番目のプレーヤーとなりました。
OTEは昨シーズン27人の選手を9人ずつの3チームに編成して互いに、また予備校やインターナショナルチームと対戦しました。
将来的には6チームか8チームに拡大してNBA Gリーグ、大学、そしておそらくNBAとも対戦したいとニューヨーク・タイムズは報じています。
昨シーズンのバーロウはOTEの一員として25試合に出場し平均23.5得点、9.5リバウンド、1.8ブロック、1.8スティールを記録しました。
真のシュート率は63.3%はリーグトップであり、3試合を除くすべての試合で2桁の得点を記録しました。
コーチと一緒に24時間365日ジムにいることができただけで、私はより良くなることができた。
大学では、体育館に何時間入れるかという制約がある。ジムに入れる時間はすべて制限されている。
コーチが夜も朝も来てくれて、一緒にシュートを打ったり、トレーニングしたりしたんだ。
ドミニク・バーロウ
大きい母の支え
過去にないNBAへのルートで不安を感じた日々もありました。
バーロウが「私のすべて」と呼ぶ母親は、NBAでプレーするという彼の夢を絶やそうとしませんでした。
テレサ・バーロウは、片親として育てた一人息子に伝え続けました。
私はあなたの才能を見ているし、彼らはあなたのためにやってくるとわかっている。もし、あなたが今していることを続けていれば、彼らはきっとあなたを見つけるわ。
テレサ・バーロウ
その言葉は、ドミニクを勇気づけていました。
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指名漏れは一生忘れない
コンバインに招待された2人のOTE選手のうちの1人でありながら、バーロウは2巡目候補として注目されていました。
しかし結果はドラフト外で指名されませんでした。
そのことが心に傷を残しました。
指名に漏れたことは、一生忘れることはないよ。
ここに来て、できるだけ早く私の契約を獲得してプレーしてアピールを続けるよ。
(デンバーで2度のNBA MVPを獲得した)ニコラ・ヨキッチが2億7000万ドルを獲得したのを見ただろうし、彼は2巡目指名だったんだから、みんなに希望を与えてくれるよ。
ドミニク・バーロウ
ドラフトコンバインでスパーズの目に止まる。
サマーリーグのHCを務めたミッチ・ジョンソンACはバーロウを一目置いていました。
ジョンソンACはドラフトコンバインでスクリメージのコーチを務めていました。
そこでバーロウは印象的な活躍をしました。
シカゴでのNBAドラフトコンバインでスクリメージ中にバーロウについて話しました。
彼はサイズがあり強く、アスレチックだ。そして私が気に入ったのコーチングだ。誰かが彼に話しかけるたびに、彼はそれを受け入れようとして、それを認めるんだ。
そして「ああ、僕はこう考えていたんだ」「だから私はこうしたんだ」というようなフィードバックまでしてくれる。
彼の年齢で、これはいい意味でユニークだ。
ミッチ・ジョンソン
バーロウのエージェント、トッド・ラマサーはドラフト後にスパーズと2way契約合意に達しました。
ラマサーはドラフト1巡目のソーハン、ブラーナム、ウェスリーなど他の19歳を含むチームとバーロウをマッチングできたことに感激していました。
ラマサーはバーロウについて「彼は非常に知的で、偉大になりたいと思っている」と評しています。
チームのニーズに合った補強
スパーズは、バーロウが機動力のある多才なリムプロテクターとしての未来を持っていることを期待しています。
ウィングスパン:221㎝に加えて、スタンディングリーチ:365cmはコンバインと4番目に高い数値でした
バーロウは来シーズン、スパーズの育成チームでプレーするためにオースティンで多くの時間を費やすことになりそうです。
バーロウはスパーズの一員となったことに感激しています。
ここのコーチ陣は、選手を育てることに大きなプライドを持っている。僕は働きたい選手なんだ。もっとうまくなりたいと思っているので、天国のような関係だ。
母はスパーズに指名されてとても感激していた。
厳しい状況でも、素晴らしい瞬間でも、僕を助けてくれた。
母はいつもサポートしてくれて本当に私を前進させ続けてくれた。
ドミニク・バーロウ
どこでプレーしていてもバーロウは、過去10年間特別支援学校で特別教育の教師を務めてきた、母親のサポートがあることを忘れません。
引用元ExpressNews
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