スパーズファンにとって今シーズン最も興味深いストーリーとして挙げられるのは、ロニーウォーカーの開花でした。
ルーキーイヤーをほぼオースティンで過ごし、開幕のデプスチャートではベリネリの次の立ち位置でした。
しかし徐々にポテンシャルを開花しながら最終的にローテーションスポットを獲得しました。
驚くことはたくさんありましたが他の若いプレイヤーと同様にロニーの武器と経験値の不足が明確に分かる瞬間もありました。
ロニーのパフォーマンスを見て、完全にポテンシャルを開花するためにどこを改善する必要があるか考えてみましょう。
アスレチック能力は折り紙付きだが…
ロニーのアスレチック能力は この2年間で十分にアピールできていますハイライトダンクを何度も見せました。
爆発力、滞空時間は非常に優れていますが スラッシャーとしての能力をまだ十分に発揮できていません。
数字がはっきり物語っています。
ロニーはFG試投数のうちリム周りで55.6% のシュートを行っていますが、 ドライブからのFG 成功率は37%とチームワーストの数字を記録しています。
低い成功率の原因となっているのは右手からのフィニッシュが多いこと、コンタクトを避けようとしてジャンプした後に適切な判断ができないことが挙げられます。
そのためファールを引き出すことが出来ず36分平均あたり2.5本のフリースローしか獲得できていません。
またハーフコートオフェンスではミッドレンジジャンパー、ピックアンドロールからのフローター、もしくはシュートを避けてパスを選択する場面が多く見られました。
これらの現象は経験を積むうちに改善してくると思います。
忘れてはならないのは彼はまだ21歳です。
パティなどのベテランからオフボールでの動きボールハンドリング、積極性、ドライブからの体の使い方などを学ぶ必要があります。
判断力の強化が必要
ロニーは今シーズン46アシストを記録しました。
この数字をアシスト率に換算してみると、
キャッチアンドシュートがメインのベルターンス、ポストからの1on1が中心のエネス・カンターとほぼ同じ数字です。
ドライブ、シュート、パスの判断に時間がかかる場面があります。
スラッシャーとしては非常に低い数値となります。
また完全にポポビッチの信頼を得たとは 言えないので ボールを持つ時間が少ないという点も挙げられます。
まだまだ経験が浅いのでこれから改善していくとは思いますが、改善するまでに時間は要するでしょう。
アウトサイドシュートは改善している
ロニーは アウトサイドシュートでは十分に存在感を発揮しました。
大学の時は3P成功率35%以下でGリーグ時代も36%を下回っていました。
2年目の今シーズンは3P成功率40%を記録しています。
サンプル数としては少ないですが将来スラッシャーとしてNBAで生き残っていくと考えられるので、ロニーはアウトサイドショットに完全に依存する必要はありません。
今の成功率を維持すれば非常に大きな武器となります。
ポテンシャルは非常に高く楽しみな選手
全体としてロニーは2年目のシーズンに多くの可能性を示してきました。
ロニーの一貫性と時々見せる判断力の失敗は経験値のなさに起因する可能性が高いです。
彼が取り組む必要があるスキルや 今後 十分改善する余地があります。
ロニーは明らかに NBA で長いキャリアを過ごすために必要なツールを持っています。
この2年間で十分にそれは証明できています。
ただ彼がどのようなタイプのプレイヤーになるかは現時点ではわかりません。
ポポビッチの信頼を得てボールを持つ時間が増えて開花できれば、ドノバンミッチェルのようにオフェンスの起点となる 可能性があります。
ただ今後も不安定なパフォーマンスが続き 身体能力に依存し続けるなら JR・スミスやディオン・ウェイターズのようなロールプレイヤーとしての能力に止まる可能性もあります。
ロニーのプレイはいつ見てもワクワクしますこれから彼の成長を見守っていく ことが楽しみです。
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