ジュリアン・シャンパニーをキープした理由とは？〜チームに不可欠な存在〜

サンアントニオ・スパーズはオフシーズン、新戦力を迎えるため、ウィングのジュリアン・シャンペニーを放出する必要があるかと思われました。

そのきっかけとなったのはハリソン・バーンズのトレードです。

バーンズを獲得するためには3.7Mのトレードキッカーを放棄しないと成立しなかったのです。

幸運にも、彼はそれを了承しました。

シャンペニーはロスターの改編に伴い、放出されてもおかしくありませんでしたが、スパーズは彼を残す決断をし、その決断が報われるかもしれません。

通常ローテーションの4番目のフォワードのためにサラリーを放棄することはなく、フロントオフィスもそれを強く求めることはありません。

しかし今回の出来事は、少なくともスパーズがシャンペニーをより詳しく見たいと考えていることを示しています。

これは賢明な判断となるでしょう。

シャンペニーの能力と価値

表面的には、シャンペニーは特に目立つ選手ではありません。

彼は堅実なアスリートで身長203cmとウイングスパン208cmを持ち、スモールフォワードとしては良いサイズと長さを持っていますが、特別な身体能力はありません。

彼のキャリア3ポイント成功率は37％で、リーグ平均をわずかに上回る程度です。

また昨シーズンのシュートの93％がアシストされたものであり、ショットクリエイターではありません。

ディフェンス面では優れていますが、絶対的なストッパーではなく、相手のベストスコアラーをマークすることはあまりありませんでした。

それでもシャンペニーを残す価値がある理由は適応力、潜在能力、そして契約条件にあります。

シャンペニーのフィットと将来性

スパーズは常にボールタッチすることで力を発揮するフォワードを3人（ケルドン・バーンズ、ソーハン）抱えています。

そのため、シャンペニーのように多くのタッチを必要としない選手がいることは大変重要です。

彼は他の選手の邪魔をせずに貢献することができます。

彼のオフェンスでの特化した能力も貴重ですが、他の3人のフォワードと並んでプレーできる適応力が最大の魅力です。

シャンペニーのディフェンス力は、チーム全体の活動量を増やすことでウェンバンヤマのディフェンスでの存在感を補完することができます。

彼は36分あたり1.2スティールと1ブロックを記録しており、エリートではないものの、フォワードとしては十分です。

またシューターを守るサイズも持っており、他のフォワードと一緒にプレーする際の役割分担も柔軟に行えます。

例えばジェレミー・ソーハンと組む場合、シャンペニーは良いディフェンスとデフレクションを提供できます。

ケルドン・ジョンソンと組む場合、シャンペニーがペリメータースコアラーをマークし、ケルドンを他のフォワードに回避させることができます。

そしてハリソン・バーンズと組む場合、サンアントニオは優れたサイズとバランスを持った選手を二人揃えることができます。

将来への期待とリスク

シャンペニーは過大評価される危険性もありますが、彼がより良い選手になる道筋は明確です。

昨シーズン、彼はチームで2番目に高い3ポイント成功率を誇り（ダグ・マクダーモットに次ぐ）、特にオープンなコーナー3での改善が期待されます。

また彼のディフェンス力も向上する可能性があります。

もし彼のシュートが「良い」から「素晴らしい」に進化すれば、5番目のスターターや多用途な6番目の選手としての価値が高まるでしょう。

シャンペニーがその役割に成長するかどうかは未知数ですが、スパーズが彼を放出しなかったのは正しい選択でした。

彼のスキルセットは限られているものの堅実であり、再建期を過ぎた今のスパーズにとって重要なピースとなる可能性があります。

引用元:Pounding The Rock